人が刺激を与えると、強烈な臭いを発する「カメムシ」。現在、関東から九州にかけて大量発生しています。
そんなカメムシ、昆虫の種類の中では、針状の口が特徴の一つとされる「カメムシ目」に該当。同群には、セミやアメンボなどとともに、最近ニュースなどで被害の拡がりが度々報じらる「トコジラミ」も含まれます。
「シラミなのにカメムシ目?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、人の頭部に寄生して吸血するアタマジラミなどのシラミとは群が異なります。
トコジラミは、多くの人が就寝している夜に活発に活動し、肌の露出している手や足、首などから吸血。その際にトコジラミの唾液が人の身体に注入されると、アレルギー反応が生じ、赤い発疹や腫れ、かゆみといった症状が現れます。薬局やドラッグストアで販売されている塗り薬で治るケースが多いものの、かゆみがとても強かったり、その影響で睡眠に支障が生じたりすることも……。そうした際には、皮膚科での治療が必要となります。
昨今のトコジラミの被害拡大の要因の一つに、人の往来の活発化が挙げられます。カバンや荷物に紛れ込んだトコジラミが宿泊施設や家庭に持ち込まれ、更に別の場所へと移動するケースがあるためです。
トコジラミは暗くて狭い場所に潜んでいるケースが多く、ホテルの洋室を例にすると、赤丸のような場所は要注意と言えます。なお、潜んでいる場所やその付近には、「血糞(けっぷん)」と呼ばれる黒っぽいシミが見られますので、一つの目印となります。
出張、あるいはプライベートの旅行で、これから宿泊施設を利用する予定の人も多いかと思います。トコジラミに出先で刺されないよう注意をするとともに、宿泊施設でカバンを開けっ放しにするのは控えたり、大きなビニール袋を持参しカバンや荷物を入れるなどして、自宅に持ち帰らないようにしましょう。
堀 エリカ
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