西日本では記録的な早さであった一方、東日本では平年よりも遅かった今年の梅雨入り。気温、湿度ともに上昇するこの時期から、初秋を迎える9月頃まで気を付けたいものに、細菌を原因とする食中毒が挙げられます。
食中毒と言っても、その原因は、①細菌、②ウイルス、③その他(寄生虫や自然毒(例:キノコ)など)の大きく分けて3つ。それぞれの割合は、厚生労働省が発表した「令和2年(2020年)食中毒発生状況」によると、細菌=約65%、ウイルス=約25%、その他=約10%とされています。
食中毒の最大の原因である細菌の多くは、高温多湿の環境下で活動が活発に……。そのため、冒頭で記した梅雨時から秋口にかけて、細菌由来の食中毒の発生件数が多くなります。そんな細菌による食中毒を予防するうえでカギを握るのは、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」の3原則です。
〇細菌をつけない
細菌を食品につけないよう、調理前、生肉・生魚・卵などを扱う前後などには、必ず手を洗う。また、生肉や生魚などを切ったまな板をはじめとする調理器具は、使用の都度洗ったり、可能ならば殺菌する。
〇細菌を増やさない
細菌の多くは、10℃以下では増殖しにくく、マイナス15℃以下で増殖がストップするとされているので、購入後や調理後の食品はできるだけ早く冷蔵庫や冷凍庫に入れる。
〇細菌をやっつける
大多数の細菌は、加熱により死滅するので、十分に加熱して食べるようにする(食品中心部を75℃で1分以上)。また調理器具も熱湯などで殺菌する。
梅雨が明けると、厳しい暑さの到来が予想されます。食中毒に注意しつつ、旬のものを食事に取り入れ、夏バテしないようにしたいものですね。
堀 エリカ
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